空き家の火災は所有者の責任になる?押さえておきたい原因や対策を解説!

空き家の火災は所有者の責任になる?押さえておきたい原因や対策を解説!

この記事のハイライト
●空き家が火災になる原因は放火が多くガス漏れや漏電なども挙げられる

●空き家の火災発生を防ぐためには定期的な管理を続けなくてはならない

●所有者の重過失が認められると失火責任法が適用されず賠償責任が生じてしまう

人が住んでいない空き家でも、火災が発生することは多々あります。
空き家で火災が発生すると、所有者が賠償責任を負うこともあるので、注意しなくてはなりません。
そこで今回は、神戸市北区や須磨区に空き家を所有されている方に向けて、空き家で火災が起こる原因や発生防止につながる対策を解説します。
所有者に賠償責任が生じるケースも解説しますので、ぜひご参考にしてください。

だれも住んでいない空き家で火災が発生する原因とは

だれも住んでいない空き家で火災が発生する原因とは

近年、空き家は増加傾向にあります。
その背景には、「遠方にある実家を相続し、活用予定はないのだが、売却は忍びない」などの理由があると考えられます。
ただし、使っていない空き家にも固定資産税は課されるため、所有しているだけだと負担ばかりが生じてしまうでしょう。
また、空き家は火災が発生することも多いので、注意が必要です。
では、なぜ火の気がないはずの空き家で、火災が発生するのでしょうか。

空き家で火災が起こる原因①放火

住宅火災のおもな原因には、火の不始末などをイメージするかもしれません。
もちろん、そのような住人の過失も火災の原因になりますが、実は第三者による放火も上位に挙がります。
そして、空き家で火災が起こる原因も、放火であることが多いのです。
なぜなら、空き家は放火犯に狙われやすくなる以下の要因を満たしていることが多々あるからです。

●人の出入りがなく、人目につきにくい
●夜は明かりがなく、真っ暗である
●門扉がない、もしくは開いたままである
●ドアや窓の鍵がかけられていない


これらの条件に当てはまる物件は、侵入しやすく犯行が露見しにくいため、放火犯に目を付けられる可能性が高まるでしょう。
そのため、空き家を所有している場合は、これらの条件に当てはまらないように注意しなくてはなりません。

空き家で火災が起こる原因②放火以外

空き家が火災になる原因は、放火だけではありません。
放火以外には、以下のような原因が挙げられます。

●タバコのポイ捨て
●ガス漏れによる引火
●配線機器のトラブルや漏電


見た目で空き家だとわかる状態だと、敷地内にゴミやタバコなどをポイ捨てされやすくなります。
すると、タバコの火がゴミや茂っている雑草などに燃え移り、火災が起きてしまうのです。
また、ガス管や配線機器などが劣化し、ガス漏れや漏電などが起こって火災につながるケースもあります。
ネズミに配線をかじられて火災になるケースもあるので、注意しましょう。

空き家の火災発生を防止するために有効な対策とは

空き家の火災発生を防止するために有効な対策とは

空き家の火災を防ぐためには、対策を講じることが大切です。
発生原因を見ると、「管理不足」「人の気配が感じられない」「防犯性が低い」などの空き家は、火災発生のリスクが高いと考えられます。
つまり、火災の発生を防ぐためには、これらの条件に当てはまらないようにすることがポイントだと言えます。
では、具体的にはどのような対策を講じれば良いのでしょうか。

火災を防ぐための対策①定期的に管理をする

火災発生の大きな要因には、管理不足が挙げられます。
定期的に管理をしないと老朽化が急速に進み、そのうち一目で空き家だとわかる状態になるでしょう。
すると、放火犯に狙われるリスクや、タバコやゴミをポイ捨てされるリスクが高まってしまいます。
また、そこまで老朽化しなくても、管理不足は火災につながりかねません。
たとえば、火災の原因で挙げたガス漏れや漏電などは、ガス管や配線機器などの劣化に気付かないために起こると考えられます。
管理の際に空き家の設備をチェックしていれば、防ぐことができるでしょう。
そして、門扉やドア、窓などをしっかり施錠することも大切なポイントです。
放火場所は建物の周りよりも室内のほうが多いとのデータがあるので、不審者の侵入を防ぐ対策は重要です。
空き家だからといって、防犯対策を怠ることはやめましょう。

火災を防ぐための対策②人の存在を感じさせる

人目につきにくく、見つかる心配が少ないことは、放火犯のターゲットになる要因です。
そのため、家の周囲を明るくする対策や、人の出入りがあることを示す対策は、放火防止に有効であると考えられます。
たとえば、人感センサーが付いている自動照明を設置すると、放火犯は侵入しにくくなるでしょう。
また、雑草が伸びていたり郵便受けに手紙がたまっていたりすると、人の出入りがない印象を与えてしまうので、定期的なチェックが大切です。
管理業者に管理を依頼している場合は、目立つ場所に社名などを明記して、存在をアピールしましょう。

火災を防ぐための対策③売却する

先述した2つの対策を確認すると、空き家の火災を防ぐためには、定期的な管理が必要であることがわかります。
ただし、管理には手間や時間がかかるうえ、しっかりと管理していても火災を完全に防げるわけではありません。
火災の不安から解放されるためには、空き家を売却することがおすすめです。
空き家に思い入れがあるかもしれませんが、所有していると火災の心配や管理の負担がかかり続けてしまうので、活用予定がない場合は早めに売却を検討しましょう。

空き家で火災が発生した場合に所有者が賠償責任を負うケースとは

空き家で火災が発生した場合に所有者が賠償責任を負うケースとは

空き家の火災に注意が必要な理由は、空き家が焼失するからだけではありません。
使用していない空き家であっても、所有者が賠償責任を負うことがあるからです。
たとえ、出火に直接関わる過失をおかしていなくても、賠償責任を負うことがあるので注意が必要です。

空き家の火災で所有者の責任が問われるケースとは

所有している空き家で火災が発生し、近隣の家に延焼してしまっても、通常は「失火責任法」によって賠償責任を負うことはありません。
失火責任法には、所有者に重過失が認められないときは、賠償責任を負わないと定められています。
空き家で火災が起こるおもな原因は「放火」と「過失」ですが、どちらの場合も基本的には賠償責任を負うことはないでしょう。
ただし、所有者に重過失があった場合は、賠償責任を負ってしまいます。
重過失だとみなされるのは、火災になる可能性をわかっていながら放置していたケースなどです。
たとえば、放火犯が空き家へ侵入しやすい状態を放置していたり、漏電のリスクが高い状態なのに適切な対処を怠っていたりすると、重過失とみなされる可能性があるでしょう。
すると、失火責任法が適用されず、高額な損害賠償を支払わなくてはならない可能性があります。

空き家の火災で賠償責任を負わないための対策とは

空き家の火災による賠償責任を負わないためには、適切に管理することが大切です。
しっかりと管理をしていれば、万が一火災が発生しても、重過失だとみなされることは避けられるでしょう。
ただし、法的には賠償責任を負わなくても、延焼した家の方へのお詫びはそれなりにしなくてはなりません。
また、火災が起きた空き家の片付けなどにも、費用がかかります。
そのような事態には、火災保険である程度備えることはできますが、空き家は保険料が割高なうえ加入条件が厳しいケースが多いでしょう。
そして、重過失だとみなされた場合は、保険料は支払われません。
損害賠償を負うリスクや管理にかかる手間、割高な保険料がかかることなどを考えると、やはり使用しない空き家は早めに売却したほうが良いと言えるでしょう。

まとめ

だれも住んでいない空き家でも、火災が発生する可能性はあります。
火災の発生を防ぐためには、定期的な管理を続けなくてはなりません。
所有者の重過失が認められると、高額な損害賠償を請求されるかもしれないので、そのようなリスクを避けるためには早めに空き家の売却を検討しましょう。
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