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2023年の空き家対策特別措置法の改正内容とは?4つのポイントを解説!

2023年の空き家対策特別措置法の改正内容とは?4つのポイントを解説!

この記事のハイライト
●空き家対策特別措置法の改正による大きなポイントは管理不全空家が新設されたことである
●特定空家の前段階であるとみなされた空き家は管理不全空家に認定される
●特定空家や管理不全空家に認定されないためには適切な管理や売却などの対策を講じる必要がある

2015年に施行された空き家対策特別措置法は、2023年に改正されました。
従来と変わった点があるので、知らないとデメリットが生じてしまうかもしれません。
そこで今回は、神戸市北区や須磨区に空き家を所有されている方に向けて、2023年に改正された内容のなかでも押さえておきたいポイントを解説します。

2023年に空き家対策特別措置法が改正!①4つのポイントとは

2023年に空き家対策特別措置法が改正!①4つのポイントとは

空き家の数は増加傾向にあり、1998年からの20年間で約1.5倍に増えています。
空き家が増えるとさまざまな問題が起こるため、対策として2015年に空き家対策特別措置法が施行されました。
施行から数年が経ち、一定の効果はあったものの、現場からはさらに実情に沿った制度を求める声が高まっていました。
そこで、2023年に空き家対策特別措置法の改正がおこなわれたのです。
従来と変わった点とは何か、4つのポイントを確認しておきましょう。

2023年の改正ポイントとは1:空き家等活用促進区域制度

空き家等活用促進区域制度とは、自治体が定めた区域内の空き家の接道や用途の規制を緩和できる制度です。
空き家を減らす有効な対策の1つは活用ですが、これまでは建築基準法などの規制によって建て替えや改築ができないことが、妨げとなっているケースも多くみられました。
そこで2023年の改正では、空き家の活用促進につなげるために、この制度が新設されました。

2023年の改正ポイントとは2:空き家等管理活用支援法人

空き家対策特別措置法改正の2つ目のポイントは、空き家等管理活用支援法人を指定できるようになったことです。
空き家問題は多岐にわたるため、自治体だけでは対応しきれていないことも、対策が進まない要因の1つでした。
そこで今回の改正では、第三者団体の協力を得られる体制を整えるために、空き家の活用などに取り組むNPO法人や社団法人を空き家等管理活用支援法人に指定することが可能になりました。

2023年の改正ポイントとは3:特定空家への措置を円滑化

3つ目のポイントは、特定空家に対する措置が円滑化されたことです。
これまでは、手続きや費用の回収に時間的猶予が設けられるシステムであり、行政代執行の前には勧告や命令などのプロセスが必要でした。
ただし、それでは倒壊の危険があったり災害時の安全確保が必要だったりするときに、迅速な対応ができません。
そこで2023年の法改正では、市区町村長に報告徴収権が付与され、緊急時の手続きの省略や、所有者の財産から強制的に費用を徴収することが可能になりました。

2023年の改正ポイントとは4:管理不全空家の新設

管理不全空家が新設されたことも、2023年の空き家対策特別措置法改正のポイントです。
これは、特定空家になることを防ぐために新設された制度で、より早い段階における行政の介入が可能になりました。
今回の改正のなかでも大きなポイントとなる制度なので、次の章で内容を解説します。

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2023年に空き家対策特別措置法が改正!②管理不全空家とは

2023年に空き家対策特別措置法が改正!②管理不全空家とは

2023年に改正された空き家対策特別措置法では、管理不全空家が新設されました。
今後は特定空家だけではなく、管理不全空家に認定されないように注意する必要もあります。
そこで、認定される条件や認定されるとどうなるかについて、それぞれ確認しておきましょう。

特定空家に認定される条件とは

従来の空き家対策特別措置法にも設けられていた特定空家とは、そのままだと近隣に悪影響を及ぼすと判断された空き家のことです。
特定空家に認定されるのは、以下のような状態が著しいとみなされた場合です。

  • ●保安上危険となるおそれがある
  • ●衛生上有害となるおそれがある
  • ●景観を損なっている
  • ●生活環境の保全の妨げとなっている

特定空き家に認定されると、行政から改善するための助言または指導を受けます。
それらにしたがわないと勧告を受け、住宅用地の特例の適用対象外となります。
住宅用地の特例とは、住宅が建つ土地の固定資産税が軽減される特例です。
通常は空き家も対象ですが、勧告を受けると対象外となり、固定資産税の税額が現状よりも上がる可能性があるでしょう。
さらに、勧告にしたがわないと命令を受け、それでも改善されない場合は50万円以下の過料を科されます。
そして、最終的には代執行によって、強制的に空き家を解体されてしまいます。

管理不全空家に認定される条件とは

2023年の空き家対策特別措置法改正によって新設された管理不全空家とは、特定空家の前段階であるとみなされた空き家が認定されるものです。
認定されると行政からの指導の対象となり、改善がみられないと勧告を受けて、住宅用地の特例の適用対象外になります。
そのため、特定空家に認定されるほどの状態ではなく、これまではペナルティの対象外であった空き家も、固定資産税が現状より上がってしまう可能性があります。
特定空家が2万戸ほどであるのに対し、管理不全空家は24万戸ほどにもなるとのデータがあるので、空き家を所有している場合は対策を講じる必要があるでしょう。

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2023年に空き家対策特別措置法が改正!③認定回避の対策とは

2023年に空き家対策特別措置法が改正!③認定回避の対策とは

空き家対策特別措置法が2023年に改正されたことによって、空き家にペナルティを科される可能性が高まりました。
ペナルティを回避するためには、特定空家や管理不全空家に認定されないための対策が必要です。
そこで、講じておきたい有効な空き家対策を3つ、確認しておきましょう。

有効な空き家対策1:適切な管理

空き家対策特別措置法は、きちんと管理されていない空き家を減らすことが目的なので、適切な管理をすれば認定される心配が減るでしょう。
空き家の基本的な管理は、換気や掃除、修繕などです。
換気は、老朽化の原因になる湿気を逃がすためにおこないます。
庭の雑草が茂っていたり、周辺にゴミが散乱していたりすると景観を損ない、犯罪のリスクも高まるので、掃除では空き家の外もきれいにしましょう。
そして、破損や不具合がないかをチェックして、必要に応じて修繕することも大切です。
破損や不具合は早めに対処しないと、空き家に大きなダメージを与える可能性があるので、念入りに確認しておきましょう。

有効な空き家対策2:活用

空き家を活用することも、有効な対策の1つです。
活用している住宅は、先述した管理が日常的におこなわれるので、空き家よりも老朽化の進行が遅くなります。
活用方法には、ご自身や親族が住んだり、賃貸物件として貸したりなどがあります。
空き家の需要が少ない場合は、解体して、土地を活用しても良いでしょう。
空き家の解体には費用がかかりますが、特定空家や管理不全空家に認定される心配はなくなります。

有効な空き家対策3:売却

空き家の管理や活用が難しい場合は、特定空家などに認定される可能性が高まってしまいます。
そのため、今後空き家を使う予定がないのなら、売却を検討したほうが良いでしょう。
買主がなかなか見つかりそうもない場合は、空き家に値段を付けずに古家付き土地として売り出す方法や、解体して土地を売却する方法などもあります。
また、不動産会社が物件を直接買い取る「買取」もおすすめです。
買取価格は相場より安くなりますが、スピーディーに空き家を売却できるので、必要に応じて検討してみましょう。

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まとめ

空き家対策特別措置法の改正で押さえておきたいポイントは、おもに4つあります。
とくに、管理不全空家が新設されたことには注意が必要です。
認定されないためには、適切な管理や活用が必要なので、難しい場合は売却を検討しましょう。
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