家を相続する際の手続き方法は?不動産の分け方も解説
- この記事のハイライト
- ●遺言書の有無の確認や遺産分割協議などを経て相続登記をおこなう
- ●不動産の分け方は複数の方法があり、家を売って現金に換える換価分割ならトラブルを回避しやすい
- ●自分で手続きを進めることは可能だが状況によって専門家に依頼したほうが良いケースもある
親が亡くなった場合、所有していた不動産や預貯金といった財産は、一般的に相続人が継承することになります。
そのなかでも家などの不動産の相続は、少し複雑な手続きや分け方が必要となるため、注意が必要です。
今回は家を相続する際の手続きの流れや、財産の分け方、自分で手続きができるケースについて解説します。
神戸市北区や須磨区で不動産相続を控えている方は、ぜひ参考になさってください。
家を相続する際の手続きの流れ
まずは、家を相続する際の手続きの流れについて解説します。
流れ1:遺言書があるか否かを確認する
最初におこなうことは、遺言書があるか否かの確認です。
有効な遺言書が遺されている場合、基本的にはその内容に沿って家を相続する方を決めることになります。
遺言書には3つの種類があり、それぞれの特徴は下記のとおりです。
- ●自筆証書遺言
- ●公正証書遺言
- ●秘密証書遺言
自筆証書遺言とは、亡くなった方が生前にご自身で作成し、押印する種類です。
自書したあと、遺言者が保管することになります。
公正証書遺言は、公証人が作成する種類で、保管場所は公証役場です。
秘密証書遺言では証人が立ち会い、亡くなった方が作成した遺言書を、公証役場に持参して手続きをおこないます。
内容は伏せたまま、遺言書があることを確認してもらい、遺言者が保管する種類です。
このうち、自筆証書遺言と秘密証書遺言は、家庭裁判所で検認手続き(内容などを確認すること)が必要となります。
検認を行わずに遺言書を開封してしまうと、ペナルティーが科せられるので注意が必要です。
流れ2:相続人を調べる
次の流れは、相続人を調べることです。
亡くなった方の財産を取得する方は、法律で定められているため、誰が該当するのかを調査する必要があります。
流れ3:どのような財産があるのかを調査する
相続人が誰なのかが把握できたあとは、どのような財産があるのかを調査します。
家などの不動産は、市役所から届く、固定資産税の納税通知書を確認なさってください。
預貯金の場合は、通帳や残高証明書を用いて金額を確認することが可能です。
流れ4:遺産分割協議をおこなう
遺産分割協議とは、財産の取得割合や方法を、相続人同士で話し合うことです。
話し合った内容は、遺産分割協議書を作成します。
相続人全員で協議することが条件となり、誰か1人でも不在の状態でおこなった遺産分割協議は無効です。
流れ5:家の名義を変更する
家を取得する方が決まったら、最後に名義変更の手続きをおこないます。
名義変更の手続きのことを相続登記と呼び、法務局に申請が必要です。
流れ6:納税を済ませる
親などが亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に、相続税の申告と納付をおこないます。
申告期限を過ぎてしまったり、納税が遅れたりするとペナルティーが科せられるため注意が必要です。
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相続の手続きとともに知っておきたい家の分け方
続いて、相続の手続きとともに知っておきたい、家の分け方について解説します。
分け方1:現物分割
分け方としてまず挙げられるのが、現物分割です。
現物分割とは、財産をそのままの形で取得する、もっともシンプルな方法となります。
たとえば亡くなった方の財産が現金と不動産だった場合、長男が現金、長女が不動産という風に取得することです。
一般的にいわれる遺産分割は、現物分割を指しているといえるでしょう。
分け方2:代償分割
代償分割も、家の分け方の一つです。
代償分割とは、家を取得した方(財産を多く取得した方)が、ほかの方に代償金や代償財産を支払う方法です。
たとえば評価額3,000万円の家を取得した長男が、長女と次女に現金で1,000万円ずつ渡すと公平性を保つことができます。
ただし、代償分割では長男に代償金を支払うだけの資金力が必要です。
分け方3:換価分割
分け方として、換価分割も挙げられます。
換価分割とは、不動産を売却し、お金に換えて分ける方法です。
たとえば4,000万円で売れ、相続人が4人の場合、それぞれ1,000万円ずつ取得します。
1円単位で分割できるため、公平性を保ちやすいのがメリットです。
土地や建物といった不動産は、物理的に平等に分けにくい財産となります。
そのため、分け方によってはトラブルが生じ、身内同士の関係性が悪くなるケースも珍しくありません。
換価分割なら不満が生じにくくなります。
ただし、その家に誰かが住んでいたり、思い入れのある実家を売りたくないという方がいらっしゃったりする場合は、売却が難しくなるでしょう。
分け方4:共有分割
一つの不動産に対して、複数の方が持分に沿って取得することを共有分割と呼びます。
公平性を保て、スムーズに分割できることがメリットです。
ただし、不動産を共有することは、将来トラブルに発展する可能性が高いため、あまりおすすめできません。
売却したいときに共有者全員の同意や、複雑な手続きが必要になったり、固定資産税の負担割合で不満が生じたりするからです。
また、月日の経過とともに相続が繰り返され、共有者が雪だるま式に増えてしまう恐れもあるでしょう。
分け方で共有名義を選ぶ場合は、慎重な判断が求められます。
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家の相続手続きは自分でできる?
最後に、家の相続手続きは、自分でできるのか否かについて解説します。
結論から申し上げますと、手続きは自分で進めることは可能です。
ただし、専門的な知識を要したり、難しい手続きがあったりするため、専門家に依頼した方が良いケースもあります。
自分で相続手続きを進めても問題ないケース
下記の条件が揃っている場合、自分で手続きを進めても良いといえます。
- ●相続人の数が少ない(配偶者のみ、配偶者と子どものみなど)
- ●時間に余裕がある
手続きは、相続人の数が多いほど複雑になりやすいため、少なければ自分でできる可能性があります。
また、平日に法務局や市役所といった公的機関に足を運ぶ機会が多いので、時間に余裕があることも条件です。
専門家に依頼すべきケース
先述のとおり、手続きには専門的な知識を要する場面が多いです。
そのため、下記のような場合は専門家に依頼すべきといえます。
- ●遠方にある家を相続する
- ●仲があまり良くない
- ●名義が何世代も前の方のままだった
相続する不動産が遠方にある場合、評価や手続きに支障をきたす恐れがあります。
時間的な余裕も必要となるので、専門家に依頼するのがおすすめです。
また、身内同士の仲が悪いと、話し合いがまとまらなかったり必要書類が揃わなかったりすることがあります。
名義変更(相続登記)がおこなわれていなかった場合、当時の相続からやり直さなくてはなりません。
膨大な手間と時間がかかるため、このようなケースは専門家に依頼するのが良いといえるでしょう。
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まとめ
遺言書の有無の確認や財産の調査、遺産分割協議などを経て、相続登記をおこなうのが一般的な流れです。
不動産の分け方は複数の方法があり、家を売って現金に換える換価分割なら、公平性を保てるためトラブルを回避しやすくなります。
自分で手続きを進めることは可能ですが、状況によって専門家に依頼したほうが良いケースもあります。
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