
共有名義の空き家を放置するリスクとは?解消方法と処分費用について解説

- この記事のハイライト
- ●共有名義の空き家を放置すると、特定空き家指定や固定資産税増、持分の第三者売却・親族トラブルなどリスクがある
- ●解消の方法は、空き家全体の売却/持分のみの売却/共有者の持分買取/他共有者への譲渡の4択で、早期合意と専門家同席が鍵
- ●処分時には登記費用、税金、仲介手数料といった費用が必要となる
相続をきっかけに「共有名義の空き家」を引き継いだものの、管理や処分の仕方がわからず、そのままにしている方も多いのではないでしょうか。
しかし、空き家を共有名義のまま放置しておくと、税金の負担や親族間トラブル、法的リスクに発展する恐れがあります。
本記事では、共有名義の空き家を放置するリスク、解消する方法、そして処分にかかる費用まで解説します。
共有名義の空き家を処分せず放置するリスク

共有名義の空き家を放置することは、単に「使わない家をそのままにしている」だけでは済みません。
時間が経つほど建物は劣化し、維持管理が難しくなり、結果として“資産”が“負債”に変わってしまうリスクがあります。
長期間放置することで、法的・経済的・人間関係の3つの面で大きなリスクが生じる可能性があります。
リスク①特定空き家に指定される
共有名義の空き家を放置したままにしておくと、老朽化が進み、建物が「特定空き家」に指定されるおそれがあります。
特定空き家とは、倒壊の危険や景観の悪化などを理由に、行政から「改善命令」を受ける建物のことです。
一度指定を受けると、住宅用地特例の対象外となり、固定資産税が大幅に上がるケースもあります。
また、指導に従わず放置すると、最終的に行政代執行(強制解体)となり、解体費用は所有者に請求されることもあります。
共有名義の場合、誰が責任を負うのかが曖昧になりがちです。
「誰が費用を出すのか」という点で意見がまとまらず、結局は対応が後回しになってしまうケースも少なくありません。
リスク②他の共有者が勝手に持分を売却する可能性
共有名義の空き家では、各共有者が自分の「持分」を自由に売却できる権利を持っています。
つまり、他の共有者が自分の持分を第三者に売却することが可能です。
不動産の現場でも、「知らない間に他の共有者が持分を売っており、買主が業者だった」という相談は少なくありません。
その場合、残りの共有者は業者と協議しなければならず、話し合いが難航することもしばしば。
一度でも他人が共有者に加わると、将来的に空き家全体を売却する際の交渉が非常に複雑になります。
業者が持分を取得している場合、買い取り交渉が強引に進むことや、共有物分割請求の訴訟に発展することもあります。
「知らない方が共有者になっていた」という事例は珍しくないため、早めに共有名義を整理しておくことが、後のトラブル防止につながるでしょう。
リスク③親族トラブルの原因になる
共有名義は「親族間のトラブル」を引き起こす大きな原因にもなります。
「売りたい」「貸したい」「残したい」など、それぞれの意見が対立すると、話し合いが進まず時間だけが経過してしまいます。
さらに、共有者の一人が亡くなれば、その持分がさらに細分化され、相続人が増えて所有者不明状態になることもあるでしょう。
登記や税金の整理も複雑化し、結果的に空き家を誰も動かせない状態になる恐れがあります。
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空き家の共有名義を解消する方法

共有名義の空き家をスムーズに解消するには、早めに行動を起こすことが何より重要です。
続いては、実際に取られている代表的な4つの方法を解説します。
方法①空き家全体を売却する
もっともシンプルで公平な解決方法が、共有者全員で空き家を売却することです。
売却代金は、共有持分に応じて分配できます。
全員の同意が必要ですが、意見がまとまれば早期に現金化でき、税金や維持費の負担もなくなるでしょう。
不動産会社に査定を依頼し、その結果を共有者全員で確認することで、話し合いを進めやすくなります。
ただし、1人でも反対する共有者がいると売却できないため、事前の丁寧な説明や相談が欠かせません。
司法書士や不動産会社に同席してもらいながら進めるとスムーズです。
方法②持分のみを売却する
共有者の中に「自分の持分だけを手放したい」という方がいる場合は、持分のみを売却する方法があります。
この場合の買主は、主に不動産買取業者や投資家です。
持分買取を専門に扱う業者も増えており、スピード重視で現金化を望む場合には有効な選択肢です。
ただし、空き家全体を売却するよりも価格は下がりやすく、市場価格の3〜7割程度になります。
他の共有者の同意が不要なため、早期に現金化したい方に向いた方法です。
方法③共有者の持分を買い取る
逆に、他の共有者の持分を買い取り、自分の単独名義にする方法もあります。
単独名義にすれば、売却・賃貸・リフォームなど、今後の活用方法を自由に決められます。
ただし、買い取り資金の用意や、不動産の評価額に基づく適正価格の確認が必要です。
トラブル防止のためにも、不動産会社など第三者による査定を依頼することをおすすめします。
専門家に依頼して書面で合意を残しておくと、のちの誤解や「言った・言わない」のトラブルを防げます。
方法④持分を他の共有者へ売却する
他の共有者へ自分の持分を売却する方法もあります。
家族間での取引であれば話し合いがしやすく、実際に円満に進むケースもよく見られます。
ただし、贈与に該当する場合は贈与税の対象となることもあるため、税務上の確認を忘れないようにしましょう。
いずれの方法を選ぶ場合も、「誰がどのように引き継ぐのか」「費用負担をどうするのか」を明確にしておくことが大切です。
不動産会社や司法書士のサポートを受けながら進めれば、スムーズに共有関係を解消できます。
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共有名義の空き家の処分にかかる費用

共有名義の空き家を処分する際には、登記・税金・仲介手数料といった複数の費用が発生します。
それぞれの費用の目安と注意点を見ていきましょう。
登記にかかる費用
共有名義のままでは売却や譲渡が難しいため、名義を整理する際には登記手続きが必要です。
名義変更や持分移転の際には「登録免許税」が課されます。
司法書士に手続きを依頼する場合の費用は、内容にもよりますが3〜10万円前後が目安です。
また、2024年から相続登記が義務化されており、登記を怠ると最大10万円の過料が科される可能性があります。
まずは登記状況を確認し、必要に応じて専門家へ相談しましょう。
税金に関する費用
空き家を売却した際には、譲渡所得税がかかります。
売却益に対して、所得税15%・住民税5%が基本ですが、相続で取得した不動産には「空き家特例」が適用される場合があります。
この特例を使うと、最大3,000万円の控除が受けられるでしょう。
また、売却時に支払った仲介手数料や登記費用は「譲渡費用」として経費計上が可能です。
かかる税金を正しく計算するには、税理士や不動産会社に確認するのが確実です。
仲介手数料
不動産会社に空き家の売却を依頼する場合、仲介手数料が発生します。
売却価格にもよりますが、上限は「売却価格×3%+6万円+消費税」と法律で定められています。
例えば、1,000万円の空き家を売却する場合、約39万6,000円(税込)が目安です。
ただし、不動産会社による「買取」であれば、仲介手数料が不要になることもあります。
どちらの方法が自分に合うかを、早い段階で相談しておくと安心です。
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まとめ
共有名義の空き家を放置すると、税負担の増加や親族トラブル、最悪の場合は行政処分といった深刻な問題に発展する恐れがあります。
早めに売却や名義整理を進めることで、資産を無駄なく活かし、トラブルの芽を早期に摘むことが可能です。
登記・税・仲介費用などのコストを把握し、不動産会社や専門家に相談しながら、最適な形で空き家を処分しましょう。
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